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白血病:急性骨髄性白血病で観察される体細胞変異は診断の数年前から存在している

Nature Medicine 24, 7 doi: 10.1038/s41591-018-0081-z

急性骨髄性白血病(AML)の診断時に観察される体細胞変異のパターンはよく解析されている。しかし、AMLの前がん状態で見られる変異の全体像、リスク、および診断までの時間に対するその影響は知られていない。今回我々は、女性健康イニシアチブ(WHI)参加者の中から、研究開始時(ベースライン)は健康だったがフォローアップ(平均期間:9.6年)期間中にAMLを発症した女性212人を見つけ出した。これらの症例について末梢血DNAの高深度塩基配列解読を行い、年齢が一致するがAMLを発症しなかった対照群と比較した。IDH1IDH2TP53DNMT3ATET2、およびスプライソソーム遺伝子中の変異は、AML発症の確率を有意に増加させることが分かった。、TP53変異(21人の患者中21人)、およびIDH1変異とIDH2変異(15人の患者中15人)を持つ患者の全てが、最終的にAMLを発症した。診断の数年前に検出可能な変異が存在することは、AML発症に先行する潜伏期間の存在を示唆しており、我々は、この潜伏期間中の早期検出、監視、そして予防的介入について考察を行うべきだと考えている。

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