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白血病:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の分子サブタイプは異なる発症機構と転帰に関連付けられる

Nature Medicine 24, 5 doi: 10.1038/s41591-018-0016-8

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は成人で最もよく見られるリンパ性悪性腫瘍で、臨床的にも遺伝的にも不均質な疾患であり、転写によって特徴付けられる活性化B細胞(ABC)型サブタイプと胚中心B細胞(GCB)型サブタイプに分類される。我々は304例の原発性DLBCLについて包括的な遺伝学的解析を行い、低頻度の変化を明らかにし、また、頻発する変異、体細胞性コピー数変化、および構造バリアントを突き止め、転帰データが入手可能な患者でcoordinate signatureを定めた。コンセンサスクラスタリングの手法により、これらの遺伝的ドライバーを統合し、5つのロバストなDLBCLサブセットを明らかにした。この中には、濾胞外/辺縁帯起源の低リスクABC-DLBCLのこれまでに認識されていなかったグループ、さまざまな転帰や標的化可能な変化を有するGCB-DLBCLの2つの異なるサブセット、TP53の両対立遺伝子性不活化、CDKN2Aの喪失、これらに関連するゲノム不安定性が見られるABC/GCBとは無関係なサブセット1つが含まれている。新たに性質が調べられたサブセットの遺伝的特徴、変異のシグネチャー、見つかった変化の時間的な順序付けから、DLBCLの発症機序についての新しい手掛かりが得られた。この遺伝的coordinate signatureは、臨床的な国際予後指標とは無関係に転帰も予測し、新規な多剤併用治療戦略を示唆する。さらに広く見れば、我々の結果は実施可能なDLBCL分類のための指針となろう。

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