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がん治療:がん治療に使うユビキチン活性化酵素低分子阻害剤

Nature Medicine 24, 2 doi: 10.1038/nm.4474

ユビキチン–プロテアソーム系(UPS)は細胞内タンパク質の恒常性維持を担う酵素ネットワークを構成している。この経路を治療に使用できる可能性は、プロテアソーム阻害剤や免疫調節薬(IMiD)など、複数のUPS修飾剤の臨床での成功によって確認されている。哺乳類の主要なE1酵素であるユビキチン活性化酵素(UAE)は、ユビキチン連結カスケードを調節する。我々は今回、以前はMLN7243として知られていたTAK-243が、UAEの行う反応を阻害する強力な低分子阻害剤であることを明らかにする。TAK-243の投与により、細胞でユビキチン連結が起こらなくなり、シグナル伝達事象の破綻、タンパク質毒性ストレスの誘導、細胞周期進行やDNA損傷修復経路の障害が引き起こされた。また、TAK-243の投与によりがん細胞死が誘発され、ヒト初代移植片を用いた実験では、許容薬量で抗腫瘍活性が見られることが実証された。TAK-243は特異性や有効性が高いため、ユビキチンの生物学的研究や、がん治療の新手法であるUAE阻害の評価に使えると考えられる。

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