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炎症:新生児では一過的に存在する骨髄由来抑制細胞が炎症の調節に不可欠である

Nature Medicine 24, 2 doi: 10.1038/nm.4467

骨髄由来抑制細胞(MDSC)は病気に際して活性化される比較的未成熟な骨髄系細胞で、病的状態の多くで免疫学的調節に関わっている。MDSCは表現型的にも形態的にも、好中球(PMN-MDSC)および単球(M-MDSC)と類似している。しかし、MDSCは強力な抑制活性を持ち、遺伝子発現プロファイルや生化学的特性がこれらとは異なっている。生理学的定常状態では、MDSCは全く、あるいはごく少数しか観察されない。従って最近まで、MDSCの蓄積は病理学的過程もしくは妊娠の結果と見なされてきた。今回我々は、マウスおよびヒトにおいて、出生後最初の数週間に強力なT細胞抑制能を持つMDSCが存在することを報告する。MDSCの抑制活性はラクトフェリンによって誘導され、その機能は一酸化窒素、PGE2、およびS100A9とS100A8タンパク質によって仲介された。新生仔由来のMDSCは、腫瘍MDSCと似たトランスクリプトームを持つが、抗微生物遺伝子ネットワークの発現が強く上昇していて、強力な抗細菌活性を有していた。また、MDSCはマウス新生仔で、実験的壊死性腸炎(NEC)の制御に非常に重要な役割を果たした。体重が著しく軽い乳幼仔はNECになりやすいが、こうした乳幼仔では正常体重仔に比べてMDSCのレベルと抑制活性が低いことが分かった。従って、新生児(仔)にMDSCが一時的に存在することは、炎症の調節に極めて重要であると考えられる。

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