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NASH:脱ユビキチン化酵素cylindromatosisは非アルコール性脂肪性肝炎を軽減する

Nature Medicine 24, 2 doi: 10.1038/nm.4461

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は臨床で広く見られる病態であり、進行した肝疾患につながることがある。NASHに対する有効な薬物療法が存在しないのには、その発症機序の解明が不十分であることが大きな原因となっている。脱ユビキチン化酵素のcylindromatosis(CYLD)は、炎症やがんで重要な役割を果たしている。我々は、CYLDがマウスとサルでNASHの抑制因子であることを突き止めた。CYLDはE3リガーゼTRIM47との相互作用により徐々に分解され、その程度はNASHの重篤度に比例している。実験的にNASHを発症させたマウスでは、肝細胞でCyldを過剰発現させると、脂肪の蓄積、インスリン抵抗性、炎症、および繊維化が同時に阻害されることが分かった。機構としては、CYLDはキナーゼTAK1と直接相互作用して、TAK1のK63に連結しているポリユビキチン鎖を除去し、それによって下流でのJNK–p38カスケード活性化が阻害される。食餌または遺伝学的操作によってNASHが誘発されたマウスや、メタボリック症候群になりやすい素因を持ち高脂肪食を与えられているサルで肝臓のCYLD発現を再構築すると、NASHの進行が効果的に抑制される。まとめると、今回の知見は、CYLDがNASHの重篤度を軽減することを示しており、CYLD–TAK1軸がNASH管理のための有望な治療標的であることを明らかにしている。

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