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がん治療:高リスク切除可能黒色腫でのネオアジュバント免疫チェックポイント阻害

Nature Medicine 24, 11 doi: 10.1038/s41591-018-0197-1

手術前(ネオアジュバント)免疫チェックポイント阻害では、手術後(アジュバント)に行った場合と比較すると、生存の延長および抗原特異的T細胞応答の増強が見られることが、前臨床試験によって示唆されている。しかし、最適な治療計画はまだ明確になっていない。今回我々は、高リスク切除可能黒色腫の患者23人について行われた、ネオアジュバント療法としてのニボルマブ投与とイピリムマブ・ニボルマブ併用投与とを比較した無作為化第2相試験(NCT02519322)の結果を報告する。RECIST全奏効率(ORR)、病理学的完全奏効率(pCR)、治療関連有害事象(trAE)および応答性の免疫相関因子が評価された。イピリムマブとニボルマブ併用治療は、高い奏功率(RECIST ORRは73%、pCRは45%)が得られたが、かなりの毒性(グレード3のtrAEが73%)が見られた。一方、ニボルマブ単剤療法は、中程度の奏功率(ORRは25%、pCRは25%)と低い毒性(グレード3のtrAEが8%)を示した。応答性の免疫相関因子が明らかにされ、2種類の治療法の両方に応答した患者ではリンパ球の浸潤がより多く見られ、ニボルマブ単剤療法の応答患者ではクローン性の高い多様なT細胞の浸潤が多く見られた。これらの結果は、黒色腫でのネオアジュバント免疫チェックポイント阻害の実行可能性を説明するもので、治療計画の最適化やバイオマーカー候補の検証のためのさらなる研究の必要性を強く示している。

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