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網膜疾患:コロイデレミアに対する網膜遺伝子治療を受けた患者で見られた視力への有益な効果

Nature Medicine 24, 10 doi: 10.1038/s41591-018-0185-5

網膜遺伝子治療は、よく見られる失明原因の治療法として大きな期待がかけられており、新たな分子的治療介入法として認められつつある。失明原因の多くは遺伝的なものである。コロイデレミアは、X染色体性の慢性網膜変性症で、1872年に初めて報告された。この疾患では、REP1(Rab-escort protein 1)の欠失が原因の進行性の失明が起きる。我々は、REP1を発現するアデノ随伴ウイルスベクターを設計し、14人のコロイデレミア患者で網膜下注入による遺伝子治療の臨床試験によって評価を行った。主要評価項目は、手術を行った側の目の2年後の視覚変化を、手術していない側の目と比較するというものである。2人の患者では合併症が起きたものの、治療を受けた14人の視力は対照よりも改善し(中央値で4.5文字増加に対して、対照では1.5文字低下、P = 0.04)、このうち6人の視力は1行(5文字)以上増加した。この結果は、通常は急速な視力喪失が起こると考えられる後期コロイデレミア患者が多数を占めるコホートにおいて、網膜の遺伝子療法が視力を維持し、改善できることを示唆している。

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