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がん:がん細胞で見られる転写依存はYAP/TAZがBRD4を介して仲介する

Nature Medicine 24, 10 doi: 10.1038/s41591-018-0158-8

がん細胞は遺伝子発現の調節異常に依存している。そのため、転写への特異的な強い依存(transcriptional addiction)が確立され、これは治療に利用できる可能性がある。しかし、このような依存の根本的な原因となる機構はほとんど分かっていない。本論文では、形質転換細胞で見られる転写因子YAPおよびTAZへの転写依存性について調べた。YAP/TAZは一般的なコアクチベーターBRD4(bromodomain-containing protein 4)に物理的に結合し、クロマチンとBRD4のゲノム規模の結合を指令している。YAP/TAZはスーパーエンハンサーに似た機能特性を持つエンハンサーの大規模セットの目印となっている。YAP/TAZが結合したエンハンサーは、YAP/TAZに調節されるプロモーターへのBRD4とRNAポリメラーゼIIの誘導を仲介し、多くの増殖調節遺伝子の発現を亢進する。BRD4の小分子阻害剤を投与すると、複数の細胞や組織中でYAP/TAZの腫瘍形成促進活性が鈍化し、既に確立されたYAP/TAZ依存性の腫瘍性病変の退縮が引き起こされ、薬剤耐性からの回復が見られた。今回の研究は、がんでの転写依存を引き起こす極めて重要なメディエーター、機構、およびゲノム規模の調節性エレメントを明らかにしており、YAP/TAZの生物学的性質に従ったBET阻害剤の合理的使用のための基盤を提供している。

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