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がん:転移段階にある肺がんの分子的特徴づけはCD109–Janusキナーゼ–Stat軸が治療標的候補であることを示している

Nature Medicine 23, 3 doi: 10.1038/nm.4285

肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっていて、死亡の大部分は転移による拡散の結果である。しかし、がん細胞が原発腫瘍から広がり、遠隔臓器へ播種し、さらに組織を破壊する転移巣に増殖する能力を獲得する分子機構はまだ完全には解明されていない。今回我々は、ヒト肺腺がんのマウスモデルで腫瘍バーコーディング法に不偏的ゲノム解析の手法を組み合わせて解析を行い、がん細胞に転移能を付与し、患者の生存を予測する転写プログラムを突き止めた。小規模なin vivoスクリーニングでCd109などの複数の遺伝子が見つかり、これらは新規の転移促進因子をコードしていることが分かった。そして、Janusキナーゼ(Jak)および転写因子Stat3を介するシグナル伝達がCD109による肺がん転移の重要なエフェクターであって、これらは薬剤標的にし得ることが明らかになった。まとめると、マウスモデルから異なる悪性状態にあるがん細胞を分離して行う系統的なゲノム解析とヒトでの大規模検証を組み合わせることで、我々は転移能の重要な調節因子を複数明らかにした。この中には、標的として実際に使用できると考えられる転移促進性のCD109–Jak–Stat3軸が含まれている。

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