Article

骨髄再構築:Dickkopf-1は直接的に、またニッチを介した機構により造血系の再生を促進する

Nature Medicine 23, 1 doi: 10.1038/nm.4251

骨髄抑制後の造血幹細胞(HSC)再生の調節での骨系列細胞の役割はよく分かっていない。今回我々は、マウスのosterix(Osx、別名Sp7 transcription factor)発現細胞でアポトーシス促進遺伝子BakおよびBaxを欠失させると、全身放射線照射後のHSC再生と造血系の放射線防御が促進されることを示す。これらのマウスでは、Osx発現骨髄細胞で産生されるタンパク質dickkopf-1(Dkk1)の骨髄でのレベル上昇が見られた。放射線照射を受けたHSCにin vitroでDkk1を投与すると、長期再構築能を持つHSCとその前駆細胞の両方の再増殖が増強され、また放射線照射マウスにDkk1を全身的に投与すると造血系の回復が促進されて、生存が改善された。逆に、成体マウスのOsx発現細胞でDkk1の1つの対立遺伝子を誘導的に欠失させると、放射線照射後の骨髄幹・前駆細胞の回復や全血球数の回復が阻害された。Dkk1の投与は、HSCではミトコンドリアの活性酸素種のレベルを低下させて老化を抑制するという直接的作用によって、骨髄内皮細胞では上皮増殖因子(EGF)の分泌を誘導するという間接的な作用によって、造血系の再生を促進した。それゆえ、EGF受容体の阻害はDkk1による造血系の回復を部分的に停止させた。これらのデータは、Dkk1が造血系再生の調節因子であることを明らかにしており、また、損傷後の造血系再構築の調節においては骨髄の骨系列細胞と内皮細胞の間でパラクリン型クロストークが行われていることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度