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真菌感染症:CBLBのターゲッティングは、播種性カンジダ症に対する治療法候補である

Nature Medicine 22, 8 doi: 10.1038/nm.4141

播種性カンジダ症は、高い罹患率と致死率を示す院内血流感染の主要原因の1つとなっている。しかし、播種性カンジダ症に対する宿主防御の分子基盤ははっきりしておらず、治療の選択肢も限られている。本論文ではE3ユビキチンリガーゼCBLBが、カンジダ属真菌Candida albicansを感知するための2つの主要なパターン認識受容体であるデクチン1およびデクチン2と、そのさらに下流に位置するキナーゼSYKをポリユビキチン化して、それによりデクチン1とデクチン2を介する自然免疫応答を阻害することを報告する。マウスでCBLBを欠失あるいは不活性化すると、致死量のC. albicansによる全身性感染が起こりにくくなり、Cblb−/ −マウスではデクチン1、デクチン2、もしくはその両方が欠損するとこうした防御が見られなくなる。特に、in vivoでのCblb遺伝子のサイレンシングは、マウスを致死的な全身性C. albicans感染から防御した。今回のデータは、CBLBが、デクチン1およびデクチン2を介する自然免疫応答の恒常性管理に重要であることを示している。また、今回の結果から、CBLBが播種性カンジダ症を防ぐための治療標的候補であることも明らかになった。

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