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免疫:報酬系の活性化は、自然免疫と適応免疫を増強する

Nature Medicine 22, 8 doi: 10.1038/nm.4133

プラセボ効果は臨床上有益であり、肯定的な期待はそうした有益性の一因となっている。このような肯定的期待は、脳の報酬系を介しているが、報酬系の活性化が体の生理機能、特に免疫に影響を及ぼすのかどうか、またそうだとしたら、どういう機序によるのかは、明らかになっていない。本論文では、報酬系の重要な領域である腹側被蓋野(VTA)の活性化が宿主の免疫学的防御を強化することを示す。我々はDREADD(designer receptors exclusively activated by designer drugs)を用いて、マウスVTA中のドーパミン作動性ニューロンを直接活性化し、その後の細菌〔大腸菌(Escherichia coli)〕への曝露に対する免疫応答について、飛行時間型質量分析計(CyTOF)と機能アッセイによって詳しく調べた。その結果、単球やマクロファージの抗菌活性の増強、in vivoでの細菌負荷の減少や遅延型過敏症のマウスモデルでのT細胞応答の増強によって示されるように、自然免疫応答と適応免疫応答の両方が、ニューロン活性化後に高まることが分かった。交感神経系(SNS)の化学物質を使ったアブレーションによって、報酬系の免疫への影響は、少なくとも部分的にはSNSを介していることが示された。従って、今回の知見はVTAの活性と細菌感染に対する免疫応答との間に因果関係があることを確証している。

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