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がん治療:フォーカルアドヒージョンキナーゼの標的化は膵臓がんをチェックポイント免疫療法に対して感受性にする

Nature Medicine 22, 8 doi: 10.1038/nm.4123

膵管腺がん(PDAC)の患者では、単剤免疫療法の臨床的有用性は今のところ限られていて、これは免疫抑制性を持つ独自の腫瘍微小環境(TME)が存在するためだと考えられている。PDAC腫瘍に対する免疫療法における重要な障害としては、多数存在する腫瘍関連免疫抑制細胞とT細胞の浸潤に対して障壁となる独自の繊維形成性間質が挙げられる。我々は腫瘍性PDAC細胞で過剰活性化したフォーカルアドヒージョンキナーゼ(FAK)が、繊維性および免疫抑制性のTMEの重要な調節因子であることを突き止めた。ヒトのPDAC組織ではFAK活性が上昇しており、この活性上昇は高度の繊維化とCD8+細胞傷害性T細胞の浸潤減少と相関していることが分かった。選択的FAK阻害剤VS-4718を用いた単剤でのFAK阻害は腫瘍の進行を大幅に抑制し、その結果、ヒトPDACのp48-Cre;LSL-KrasG12D;Trp53flox/+(KPC)マウスモデルの生存期間が倍に延長された。この腫瘍進行の遅延は、腫瘍繊維化の顕著な低下と腫瘍浸潤性免疫抑制細胞数の減少と関連していた。また、細胞免疫療法やPD-1アンタゴニストに対する応答性が見られなかったKPCマウスモデルが、FAK阻害を行うことで応答性を示すようになった。以上の結果は、FAKの阻害は繊維性で免疫抑制性のPDAC TMEに打ち勝って免疫監視を増加させ、腫瘍を免疫療法応答性にすることを示唆している。

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