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炎症:I型インターフェロンとトリプトファンの微生物代謝産物は芳香族炭化水素受容体を介してアストロサイト活性と中枢神経系炎症を調節する

Nature Medicine 22, 6 doi: 10.1038/nm.4106

アストロサイトは中枢神経系(CNS)で健常時にも罹患時にも重要な役割を担っている。我々はゲノム規模の解析により、実験的CNS自己免疫の際にアストロサイトで、また多発性硬化症(MS)患者のCNS病巣でもI型インターフェロン(IFN-I)に対する転写応答を検出した。アストロサイトでのIFN-Iシグナル伝達は、リガンドによって活性化された転写因子の芳香族炭化水素受容体(AHR)とSOCS2(suppressor of cytokine signaling 2)を介して炎症および実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)スコアを低下させる。経鼻投与したインターフェロンβ(IFNβ)の抗炎症効果の一部はAHRによって媒介される。食餌に含まれるトリプトファンは、腸内微生物相によってAHRアゴニストへと代謝され、これはアストロサイトに影響を及ぼしてCNS炎症を制限する。EAEスコアは回復期のアンピシリン投与後に上昇し、また抗生物質を投与したマウスにトリプトファン代謝産物であるインドール、インドキシル-3-硫酸塩、インドール-3-プロピオン酸、インドール-3-アルデヒド、もしくは細菌の酵素であるトリプトファナーゼを補給してやるとCNS炎症が減弱した。MS患者では、AHRアゴニストの循環中レベルが低下していた。これらの知見は、CNSで産生されるIFN-Iが、食餌中のトリプトファンから腸内細菌相の働きによって生じる代謝産物と組み合わさって機能し、アストロサイトのAHRシグナル伝達を活性化して、CNS炎症を抑制することを示唆している。

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