Perspective

がんゲノム:がんゲノムデータを責任を持って有効に共有する文化を育む

Nature Medicine 22, 5 doi: 10.1038/nm.4089

腫瘍の分子プロファイリングが短期間で比較的安価に行えるようになったことで、がんの診断や予知、治療の助けとなる臨床データやゲノム関連データが爆発的に増加した。そして現在、注釈付けされた臨床情報やゲノム情報はばらばらに保存されており、そういう状態で解析と保存を行っていたのでは、がんのプレシジョン医療の進展が行き詰まると考えられる状況に至っている。複数の技術的、実務的な障壁を越えてデータを共有するためには、情報システムを統一させる必要がある。こうした状況を背景として、2013年にはGlobal Alliance for Genomic Health(GA4GH)が設立され、臨床データやゲノムデータの責任ある、自発的かつ安全な共有を可能にする共通の枠組みが確立された。このPerspectiveはGA4GHのClinical Working Group Cancer Task Teamによるもので、この分野が直面しているデータ集約という難問を取り上げ、可能と思われる協力的解決法を提案し、GA4GHが和合的なデータ共有文化を促進できる仕組みが述べられている。

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