Review

がん:がんでのEZH2の標的化

Nature Medicine 22, 2 doi: 10.1038/nm.4036

クロマチン調節因子ががん発生に果たす役割の解明は、最近のゲノム研究によって進展しつつある。Polycomb抑制複合体のヒストンメチルトランスフェラーゼサブユニットであるEZH2は、複数のタイプのがんで変異が頻発しており、他の多数のがんでは高度に発現されている。がんでは機能獲得型変異と機能欠失型変異の両方が起こるが、これらはそれぞれ、別の種類のがんと関連づけられている。本総説では、一連のEZH2関連変異について概説し、EZH2機能の基盤となる機構について論じてから、転写のマスター調節因子としてのEZH2の役割が中断されたことにより生じる発がんプロモーションについての全体像をまとめる。さらに、臨床試験で有望な兆しが見えてきたEZH2阻害剤と、EZH2ががんで果たす役割と戦うためのまた別の戦略についても論じる。

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