Perspective

神経精神疾患のモデルとしてのヒト脳オルガノイドの将来性と問題点

Nature Medicine 22, 11 doi: 10.1038/nm.4214

自閉症スペクトラム障害、統合失調症、双極性障害などの神経精神疾患は、社会的にも医学的にも非常に重要な問題だが、このような疾患が持つ複雑性と、ヒトの脳の発達や機能についてのモデル作製が非常な難問であることが、疾患の実験による研究を困難にしている。ヒト多能性幹細胞由来の3D脳オルガノイドの最近の進歩は、高度な多遺伝子性が見られるこれらの疾患の表現型の基盤を調べたり、個々のリスクバリアントや複雑な遺伝的背景の病因への関わりを解明したりするのに有望な方法となると考えられている。本総説で我々は、神経精神疾患のin vitroモデルとしてのヒト脳オルガノイドの利点、限界、そして将来の応用について論じる。

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