Article

高血圧:頸動脈小体のプリン作動性受容体は高血圧症管理のための新たな薬剤標的である

Nature Medicine 22, 10 doi: 10.1038/nm.4173

降圧薬に抵抗性を示したり、このような薬剤に対するコンプライアンスが不良だったり、あるいはは忍容性が低かったりする患者の割合が高いことを考慮すると、新規な高血圧治療薬は緊急に必要と考えられる。本論文では、末梢化学受容体が異常なシグナル伝達を引き起こし、これが高血圧症における血圧上昇の一因となることを明らかにする。高血圧ラットでは、プリン作動性受容体P2X3(P2rx3、別名P2x3)mRNAの発現が化学刺激反応性の錐体感覚ニューロンで大幅に上昇していることが分かった。これらのニューロンは、高血圧ラットで緊張性の刺激と反射亢進の両方を生じるが、正常血圧のラットではこうした反応は生じない。またこれらの反応はともに、P2X3受容体の機能遮断によって正常に戻った。さらにP2X3受容体に対するアンタゴニストの作用によっても、高血圧の覚醒ラットの、動脈圧やベースラインの交感神経活動が低下し、頸動脈小体の反射亢進が正常化した。高血圧でないラットではこうした影響は観察されなかった。ヒト頸動脈小体でP2X3受容体が発現していることが確認され、高血圧症患者では頸動脈小体の活動亢進が観察された。今回得られたデータは、P2X3受容体がヒトの高血圧症管理のための新規治療標的候補であることを裏付けている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度