Perspective

精神疾患:有効な治療法を開発するために精神疾患のモデルを作る

Nature Medicine 21, 9 doi: 10.1038/nm.3935

疾病リスク関連遺伝子の発見では最近大きな進歩が見られている。そのため、最終的には新たな治療法の開発につながるトランスレーショナル研究に役立つような精神疾患研究用動物モデルを作出する機会はこれまでにないほど高まっていると言えるだろう。しかし現在のような早い段階では、トランスレーショナル研究の成果はまだ挙がっていない。本総説では、精神疾患のモデル化における最近の進展を概説し、動物モデルの有用性と限界を論じ、さらに行動解析研究から神経生理学的異常を突き止める研究への移行の重要性を明確にする。神経生理学的異常は生物種間で保存されている可能性が高く、そのためトランスレーショナル研究が行いやすいと考えられる。将来的には、前臨床研究が臨床研究と緊密に提携するようになって比較神経生物学的異常に関する共通の枠組みを構築し、類似の病態生理に基づく患者のサブグループ化を助けると予想される。そうなれば、実験神経科学は動物モデルを用いることで個々の異常の原因となる機序を見つけだし、有効な治療戦略を開発できるようになるだろう。

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