Article

自己免疫疾患:10種類の小児自己免疫疾患にわたって共有される遺伝的構造のメタ解析

Nature Medicine 21, 9 doi: 10.1038/nm.3933

ゲノム規模関連研究(GWAS)では数百の感受性遺伝子が見つかっており、その中には臨床的に異なる自己免疫疾患の間で共有される関連遺伝子が含まれている。我々は、6,035を超える症例と集団ベースの共有対照10,718人を含む症例対照研究で、10種類の小児期発症自己免疫疾患(pAID)について、逆χ二乗メタ解析を行った。1つ以上のpAIDに関連する、ゲノム規模で有意な27個の遺伝子座が見つかり、これらはin silicoで再現性を調べて自己免疫関連遺伝子群(IL2RAを含む)や、ADGRL2TENM3ANKRD30AADCY7およびCD40LGなどの、確立された免疫調節機能を持つ新しい候補遺伝子座にマッピングされた。pAIDに関連する一塩基多型(SNP)は、機能的にはデオキシリボヌクレアーゼ(DNアーゼ)高感受性部位、発現量的形質遺伝子座(eQTL)、マイクロRNA(miRNA)結合部位およびコーディングバリアントに他より多く存在していた。また、免疫細胞発現プロファイリングを基盤として、生物学的に相関するpAID関連候補遺伝子セットも明らかになり、それがpAIDに遺伝的に共有されることの証拠も見つかった。ネットワーク解析およびタンパク質相互作用解析から、複数の自己免疫疾患で1型、2型および17型のヘルパーT細胞、JAK-STAT、インターフェロンおよびインターロイキンのシグナル伝達経路に収束的な役割があることが実証された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度