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がん:EML4-ALK陽性の肺がんでのRAS-MAPK依存性に基づいた合理的な多剤併用療法戦略

Nature Medicine 21, 9 doi: 10.1038/nm.3930

がんの薬剤耐性と戦うための戦略の1つは、耐性腫瘍細胞の生存と出現を抑制する合理的な多剤併用療法を治療初期から行うことである。本研究では、ALKとEML4の発がん性融合遺伝子を持つ肺腺がんのモデルで、GTPアーゼRAS-MAPK(mitogen-activated protein kinase)経路が腫瘍細胞の生存に必要であり、他の既知のALKエフェクターは必要でないことを示す。EML4-ALKはEML4のHELPドメインを介して主要な3つのRASアイソフォームの全てを作動させることで、RAS-MAPKシグナル伝達を活性化する。野生型K-RAS(KRASWT)をコードする遺伝子数の増加や、MAPKホスファターゼDUSP6の発現低下によるMAPK経路の再活性化は、in vitroでALK阻害剤に対する耐性を高め、これらはいずれもEML4-ALK陽性の肺腺がん患者でのALK阻害剤耐性と関連があった。ALKとキナーゼMEKの両方を治療初期から阻害すると、EML4-ALK肺腺がんの前臨床モデルで初期応答性の強さと持続期間が増大した。我々の結果は、RAS-MAPK依存性がEML4-ALK肺腺がんの特性であることを明らかにし、ALKとMEKの両方の治療初期からの阻害が、耐性出現を予防し患者の転帰を改善することの論拠を示している。

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