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2015年を振り返る

Nature Medicine 21, 12 doi: 10.1038/nm1215-1379

Nature Medicine恒例の年末特集では、まず「今年のニュースメーカ-」として話題となった7人を選んだ。別の製薬会社から買い取った寄生虫予防薬の薬価を5000%も値上げして大変な非難を浴びた、ヘッジファンドの元マネージャーである製薬企業CEO、懐疑的な見方の多かったがん免疫療法の研究を粘り強く続けて、今年のラスカー賞を受賞した免疫学者、女性研究者に関する「正直な」発言で批判を招き、辞任したノーベル賞受賞者等々、いずれも際だった存在感を示した人物である(p. 1379)。今年、メディアの注目を集めた薬剤は、がんや心疾患などの治療に大きな進歩をもたらしたものである。その一方で、臨床試験を継続できなくなってニュースになった薬剤もいくつかあり、パイプラインの途中でまだ宙ぶらりんのまま、製品となるチャンスを待っているものもある。ここではそのうちの一部を取り上げて、開発状況が期待通りの青信号、なんだか危ない黄信号、どうやら絶望的な赤信号の3つに分類してみた(p. 1382)。医学研究については例年と同じく、今年も幅広い分野でめまぐるしい進展が見られ、心筋細胞の増殖からオルガノイドを使ったモデル作製までの大きなニュースとなった。最後のNotable advances 2015では、今年特に注目を集めた研究成果を分野ごとに選び出し、関連する主要な研究論文を含めて、研究の経緯を紹介しながら成果を要約し、期待される進展についてもコメントしている

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