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肥満:Notchシグナル伝達の阻害は白色脂肪組織の褐色化を促進し、肥満を軽減する

Nature Medicine 20, 8 doi: 10.1038/nm.3615

白色脂肪組織(WAT)に存在するベージュ脂肪細胞は、脂肪を燃焼し熱を産生するという点で、古典的な褐色脂肪細胞に似ている。従ってWATの褐色化でベージュ脂肪細胞の含有量が増えれば、エネルギー消費が上昇し、脂肪過多が軽減するだろう。本論文では、マウスでNotch1またはNotch1シグナル伝達のメディエーターであるRbpjを脂肪細胞特異的に不活性化するとWATの褐色化が起こって、熱発生の重要な調節因子である脱共役タンパク質1(Ucp1)の発現量が増大することを報告する。その結果、Notch変異体マウスは、野生型マウスに比べるとエネルギー消費が上昇し、耐糖能の向上とインスリン感受性の改善が見られ、高脂肪食による肥満になりにくいことが分かった。これとは対照的に、脂肪細胞特異的なNotch1活性化は、逆の表現型につながる。分子レベルでは、Notchシグナル伝達を恒常的に活性化すると、白色脂肪細胞でのPpargc1aおよびPrdm16の転写が阻害されるが、Notchの阻害ではこれらの遺伝子の転写が誘導される。肥満マウスのNotchシグナル伝達を薬理学的に抑制すると、肥満の軽減、血糖値の低下、白色脂肪細胞におけるUcp1の発現上昇が起こる。従って、Notchシグナル伝達は肥満および2型糖尿病の治療標的となる可能性がある。

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