Technical Report

画像化法:マウス網膜と網膜色素上皮の、2光子顕微鏡法による眼の瞳孔を介した非侵襲的画像化

Nature Medicine 20, 7 doi: 10.1038/nm.3590

2光子励起顕微鏡は、網膜のin vivoでの分子過程を画像化できる。レチノソームと呼ばれる細胞内構造に含まれる本来的に蛍光性のレチニルエステルは、視物質発色団再生過程に組み込まれている成分である。全trans-レチナールの蛍光性縮合生成物は加齢とともに眼に蓄積し、加齢性黄斑変性症(AMD)と関連付けられている。本論文では、生きているマウスの眼の瞳孔を介してこれらの化合物の動態の画像化を繰り返し行える手法を報告する。我々は最新の補償光学を用いて、特徴的な局在化、スペクトル特性、および遺伝的改変マウスもしくは薬剤投与マウスでのこうした構造の欠如によって、網膜色素上皮内のレチノソームや縮合生成物を突き止めることができるデータ収集アルゴリズムを開発した。この画像化法は、光やAMDで起こる網膜異常を引き起こすレチノイド代謝の初期の分子レベルでの変化を検出できる可能性があり、また、これらの病態の治療法の有効性評価にも使えるかもしれない。

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