Technical Report

がん:循環血中の腫瘍DNAからKRASおよびBRAFの変異を検出する方法の臨床評価

Nature Medicine 20, 4 doi: 10.1038/nm.3511

転移性大腸がん(mCRC)患者では、標的療法を用いる前にKRASの変異状態の評価を行う必要がある。本論文では、2つの異なる解析法で得られたKRASおよびBRAFの変異状態データを比較した盲検式前向き研究について報告する。解析法の1つは、通常使われるごく標準的な手法による腫瘍組織の解析であり、もう1つは、循環血中遊離DNA(cfDNA)を分析するために特別に設計された定量PCRをベースとする手法による血漿DNAの解析である。この2つの方法を使って、患者106人の試料での変異状態を判定した。cfDNA解析は、BRAFのV600E変異に対して100%の特異性および感受性を示した。この解析法は、KRASで調べられた7箇所の点変異に対して98%の特異性と92%の感受性を示し、腫瘍組織の解析結果との一致率は96%だった。変異荷重は、cfDNA内の変異対立遺伝子の割合として表され、変異のある試料間で高度に変動していた(0.5〜64.1%、中央値10.5%)。cfDNAはmCRC患者の100%で検出された。本研究は、cfDNA解析による液体生険(liquid biopsy)が、腫瘍片解析に代わるより有用な手法であって、がん患者の個別化医療の範囲を拡大する可能性を示している。

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