Technical Report

免疫:中枢神経系におけるT細胞活性化の、遺伝子コード型カルシウムインジケーターを用いたin vivoリアルタイム解析

Nature Medicine 19, 6 doi: 10.1038/nm.3180

in vivoでのT細胞活性化をリアルタイムで調べるため、我々は蛍光共鳴エネルギー移動に基づく遺伝子コード型カルシウムインジケーターを新たに開発し、それを自己抗原特異的および非自己抗原特異的CD4+ T細胞に導入した。レトロウイルスを使って遺伝子導入したカルシウムインジケーターを発現するT細胞のリンパ節や中枢神経系での抗原への応答を、二光子顕微鏡法を用いて調べた。リンパ節では、外来抗原の投与によって、抗原提示細胞の周囲のT細胞がほぼ即座に動きを止め、細胞質カルシウム濃度が即時的に上昇した。これとは対照的に、実験的自己免疫性脳脊髄炎の際には、中枢神経系実質への主要な入口の1つとなる軟髄膜空間に進入した脳炎誘発性T細胞では細胞内カルシウム濃度の上昇が見られたが、その後もこの空間内で遊走を続けることがわかった。この手法によって、自己免疫性脳脊髄炎の際にin vivoで起こるT細胞の遊走および活性化のパターンを追跡することができた。

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