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肥満:レチンアルデヒドデヒドロゲナーゼ1は白色脂肪組織の熱発生プログラムを調節する

Nature Medicine 18, 6 doi: 10.1038/nm.2757

褐色脂肪組織(BAT)の形成と機能が促進されれば、肥満が軽減する可能性がある。最近のデータでは、レチノイドとエネルギー収支との結びつきが示されているが、褐色脂肪と白色細胞のそれぞれでレチノイド代謝が特異的に果たす役割は明らかになっていない。レチンアルデヒドデヒドロゲナーゼ(Aldh、別名アルデヒドデヒドロゲナーゼ)は、レチンアルデヒド(Rald)をレチノイン酸に変換する反応の律速段階を担う酵素である。今回我々は、マウスおよびヒトの内臓貯蔵脂肪などの白色脂肪組織(WAT)ではAldh1a1が主に発現されていることを示す。Aldh1a1遺伝子の欠損は、WATでBATに似た転写プログラムを誘導し、これは脱共役呼吸と適応的熱発生を引き起こした。肥満マウスで、Aldh1a1をWAT選択的にノックダウンすると、このBATプログラムが作働するようになり、体重増加が制限され、グルコース恒常性が改善された。Raldはレチノイン酸受容体(RAR)を選択的に活性化し、コアクチベーターPGC-1αを動員して、Ucp1プロモーター活性を誘導することにより、白色脂肪細胞で脱共役タンパク質1(Ucp1)のmRNAおよびタンパク質量を増加させた。今回の結果は、Aldh1a1およびその基質であるRaldが、脂肪細胞の可塑性と適応熱産生のこれまで知られていなかった決定因子であることを確証しており、この結果は治療にかかわってくる可能性がある。

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