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デング熱を打ち負かす:ワクチン開発における難問

Nature Medicine 18, 11 doi: 10.1038/nm.2997

デング熱はかなり重要な医療問題となっており、4つの血清型があるデングウイルスには、年間5,000万人から1億人が感染し、世界人口のおよそ半数に感染のリスクがあると推定されている。デング熱の特別な治療法は今のところなく、有効なワクチンの開発はこの疾患の蔓延を食い止めるための重要な対策の1つと考えられている。組み換え型四価デング熱−黄熱病キメラウイルス弱毒生ワクチンの第2b相臨床試験が、タイの4歳から11歳の学童を対象に行われ、その結果が最近報告された。このワクチンの全体的な有効性は30.2%で、1回以上のワクチン接種により血清型DENV3およびDENV4のウイルスによるデング熱の発生率が80〜90%低下し、DENV1ウイルスによる発生率もこれほどではないが低下した。しかし、血清型DENV2ウイルスによるデング熱には効果がみられなかった。この臨床試験の結果と、それがデング熱ワクチン開発の展望にどのように影響しそうか、3人の専門家に意見を聞いた。

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