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薬剤でパーキンソン病を抑え込める可能性

Nature Medicine 15, 11 doi: 10.1038/nm1109-1250

パーキンソン病のような込み入った病態では、1つの薬剤が症状を改善するのではなく、進行を遅らせることを明らかにするのは容易でない。W Olanowたちは、薬剤ラサジリンについてこの問題を検証する臨床試験を設計した。彼らが用いたのは「遅延開始型」で、1つの被験者グループにはプラセボを、もう1つのグループにはラサジリンを36週にわたって投与し、その後、両方のグループにラサジリンを36週間投与した。そして、2つのグループの間の病態重症度の差異を探し、この薬剤が症状進行を遅くできるかどうかを評価した。それにより得られた知見ははっきりしたものではなかった。ラサジリンは、2種類の投与量のうち一方ではパーキンソン病の進行を遅くしたが、もう一方では遅くならなかったのである。これらのデータはどういうことを意味しているのだろうか。

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