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バイオセンサー:マトリックス非感受性のタンパク質アッセイ法は医療用バイオセンサーの限界を押し広げる

Nature Medicine 15, 11 doi: 10.1038/nm.2032

in vitro診断用のバイオセンサー技術が進歩することで、臨床医療の実態が変わる可能性がある。バイオセンサー分野の研究は盛んに行われているが、さまざまな臨床検体(血清、尿、細胞溶解物、唾液など)に含まれる非常に多様な生体分子を、高感度および広い線形応答ダイナミックレンジで検出でき、広く適用可能な汎用センシングプラットフォームは今のところまだ存在しない。従来の技術で混乱を招く主な制限要因の1つが、イオン強度やpH、温度および自己蛍光の不均一性が原因で各種マトリックスに生じるシグナルの歪みである。本論文では、マトリックス非感受性でありながら、アトモル濃度までの分解能と広範な線形応答ダイナミックレンジで複数種類のタンパク質を迅速に検出できる、磁気ナノセンサー技術を報告する。各種媒質に対するこのプラットフォームのマトリックス非感受性は、我々の開発した磁気ナノセンサー技術が、分子生物学や臨床診断、生体防御などさまざまな領域に直接適用できることを示している。

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