Technical Report

癌の画像化:多価二重特異性抗体を使ったプレターゲティング法で分子画像化のシグナルを増幅

Nature Medicine 11, 11 doi: 10.1038/nm1322

本論文では、前もって癌胎児性抗原(CEA)に対する多価二重特異性抗体を癌に向かわせ、その後これに放射性ハプテン・ペプチドを捕捉させるプレターゲティング法によって、癌の分子画像化にあたって放射性トレーサーのin situシグナルを増幅させられることを報告する。0.15gほどの微小なヒト結腸癌の異種移植片を抱えるヌードマウスでは、放射性トレーサーの注入後1時間以内に移植片像が観察され、放射性トレーサーの腫瘍/血液の集積比は、臨床で大腸直腸癌検出に用いられる99mTc標識したCEA特異的F(ab’)と比較して40倍以上に増えた(1時間でほぼ10:1、24時間でほぼ100:1)。しかも、最適条件下では腫瘍への取り込みが10倍に増大し、このときの組織1g当たりの投与量に対する摂取率(%injected dose/g)はおよそ20%である。この技術は、他の抗体や画像化技術にも適用できるかもしれない。

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