Research Highlights

新しい細胞透過性ペプチドが同種異系マウス間の膵島移植を可能にする

Nature Medicine 10, 3 doi: 10.1038/nm994

シクロスポリンAやFK506などのカルシニューリン阻害剤は、移植治療や自己免疫疾患の治療に使用されている。しかし、免疫系以外でカルシニューリンが阻害されると、高血糖症など多くの副作用を起こす。安全性の高い薬物を求め、我々はポリアルギニンペプチド送達システムを利用したNFAT(T細胞活性化因子)の細胞透過性阻害剤を開発した。このペプチドはマウスで、まったく適合していない膵島移植片に対し免疫抑制作用を発揮した。さらに、このペプチドはインスリン分泌に影響することはないが、FK506では用量依存的にインスリン分泌が減少した。以上の結果のように、細胞透過性ペプチドは医薬品開発の新しい戦略となり、将来は臨床的にも有用となると考えられる。

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