Research press release

ヒメコチョウランのゲノム塩基配列解読

Nature Genetics

Orchid genome sequenced

経済的に重要な観賞植物であるPhalaenopsis equestris(ヒメコチョウラン)のゲノム配列が解読された。

ヒメコチョウランは、全植物の中で最大の科の1つであるラン科に属しており、ラン科の植物には、特殊な生殖適応と生態適応がさまざまに見られる。例えば、ヒメコチョウランは、大部分の植物の光合成経路とは異なる代謝形式、CAM(ベンケイソウ型有機酸代謝)を利用している。

今回、Z-J Liuたちは、ヒメコチョウランのゲノムの塩基配列決定を行った。CAM植物のゲノム配列が解読されたのは今回が初めてだ。Liuたちは、花の発生に重要な役割を果たすMADSボックス遺伝子を同定し、ヒメコチョウランにおいて特定のMADSボックス遺伝子ファミリーが拡大し、多様化したことを明らかにした。この新知見は、こうしたMADSボックス遺伝子が高度に特殊化した花の形状に寄与している可能性を示唆している。また、ヒメコチョウランのゲノムにおいて、大昔に大規模な重複事象があったことを示す証拠も見つかった。これが、CAMという代謝形式の進化に関係しているのではないかとLiuたちは考えている。

The genome sequence of the Phalaenopsis equestris orchid, an economically-important ornamental plant, is reported in Nature Genetics.

The orchid is a member of one of the largest plant families, which has a variety of specialized reproductive and ecological adaptations. For example, it uses crassulacean acid metabolism (CAM), an alternative photosynthetic pathway to that of most plants.

Zhong-Jian Liu and colleagues sequenced the genome of the orchid Phalaenopsis equestris, the first CAM plant to have its genome sequenced. They identify MADS-box genes, which play important roles in flower development, and find that specific MADS-box gene families have expanded and diversified in the orchid. These findings suggesting that these genes may contribute to the highly specialized shape of orchid flowers. They also find evidence of ancient large-scale duplication events in the orchid genome, which the authors suggest may have been involved in the evolution of CAM.

doi: 10.1038/ng.3149

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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