目次

Volume 6 Number 52009年5月号

Editorials

 Nature Chemistryの創刊を歓迎する

化学は科学の中核を成す一分野であるだけでなく、他の分野とも密接に関連している。物理学の画期的な業績の数々や高度な薬物療法の開発は、化学の原理と手法なくしてはありえなかっただろう。また、生物や環境についての我々の理解も、化学からの重要な貢献なくしてここまで進むことはなかっただろう。

 極地科学のこれからの道

第4回国際極観測年が終わりを迎えた。しかし、北極と南極は、科学の最優先課題であり続けなければならない。

News

 グラフェンが表舞台に躍り出る

物理学者たちは、これまで基礎研究の対象であったグラフェンを実用化する方法について話し合うようになっている。

News Features

 敏腕MIT教授のブラックベリーな1日

マサチューセッツ工科大学(MIT)の化学工学者Robert Langer教授は、米国の学術研究機関で最も大きな研究室の1つを運営している。研究室には100人近い人々が出入りして、日々、彼の助言を得ている。さらにLangerは愛用のスマートフォン、ブラックベリーを通して多くの仕事をこなし、世界中にある種の安らぎを与えている。そんな人望厚く、多忙な彼の1日に、Helen Pearsonが密着した。

 カルテの電子化がもたらすもの

カルテの電子化を妨げているいくつかの大きな障害を乗り越えることができれば、研究へのデータ利用の可能性は大きく広がるだろう。Katharine Gammonの取材報告による。

Japanese Author

 ナノサイズのかご状分子中で、DNA二重鎖を形成(藤田 誠)

散らばっていた部品が、自発的に結合(自己組織化)してできあがるナノメートルサイズの「かご状分子」の中で、遺伝情報を担うDNAやRNAの小さな二重鎖が組み上がる。生命体の中でしかできなかった現象を人工的に再現することに、東京大学大学院工学系研究科の藤田誠教授らが成功した。遺伝子制御などの革新的な医療技術や分子情報処理などにも応用できる成果で、この4月に創刊された Nature Chemistryに掲載された1。分子の自己組織化の可能性について、藤田教授に聞いた。

News & Views

 プリオンコネクション

アルツハイマー病に罹患している人は世界中で2000万人以上に上るが、その原因はまだほとんどわかっていない。新たな研究から、別の神経変性疾患とこの病気を結びつける分子レベルの手がかりが得られた。

 塩素が手助け

普通とは違った複雑な分子を合成する経路の開発からは、化学反応性について驚くべき知見が得られることが多い。このほど初めて合成に成功した海洋生物毒素からも、まさにそのような知見が得られた。

 花房秀三郎氏(1929–2009)

分子レベルでのがん研究に創造的刺激と革新をもたらした。

Nature Highlights

 ハイライト

Feature

 未来を合成する

化学は科学の中核を担い、合成は化学の中核を担う。名古屋大学の野依良治特別教授が、今後の合成化学研究の焦点について提言する。

News

 犯人の眼の色をDNAで予測

この検査法は、犯罪捜査に役立つ法医学ツールになるかもしれない。

 9秒で充電できるリチウムイオン電池

極めて短時間で充放電できる充電池が開発された。

英語でnature

 ウイルスを使わずにヒト細胞に多能性を付与する方法

本セクションでは今年の3月号で「ES細胞」について取り上げましたが、再生医療の実現に向けては、もう1つの万能細胞「iPS細胞」をめぐって、国際的に研究競争が激化しています。 今回は、ヒト細胞では初めて、ウイルスを使わずにiPS細胞を作製した研究成果についての記事を読んでみましょう。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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