目次

Volume 5 Number 32008年3月号

Editorial

 ダブルブラインド方式の査読をめぐって

著者を匿名にする必要はあるのか?

News

 化学者を当惑させる巨大結晶

これまでに作製された単一分子結晶の中で最も大きい球状の結晶が、化学者らを当惑させている。500個近い銀原子を含むこの結晶は、非常に大きく複雑であるため、生みの親たちもその構造を解明することができずにいる。

News Features

 細菌の新たな骨

単にのっぺらぼうで無秩序な袋と考えられてきた細菌だが、今や高度な内部構造が多数見いだされている。Ewen Callawayが細胞生物学の新領域に迫る。

 大陸棚の延長をめぐる攻防

海底をめぐる国家間の争いが激しくなってきた。国連海洋法条約に基づく大陸棚の延長の申請期限が迫っている各国は、その根拠として提出するための情報の収集を急いでいる。大陸棚の延長が認められれば、その部分の海底の天然資源を調査し、開発する権利が得られるからである。地質学者や地球物理学者も、この熱狂に巻き込まれている。Daniel Cressey記者が報告する。

Japanese Author

 天敵の匂いを忌避する行動は先天的に決められていることを証明(小早川高・小早川令子)

哺乳類が匂いを嗅いだときの反応は、これまで後天的に決められるものと考えられてきた。ところが、東京大学大学院の小早川高特任助教と科学技術振興機構さきがけの小早川令子研究員らのグループは、マウスが天敵や食べ物の腐敗臭を忌避する行動は先天的なものであることを明らかにした。この成果は Nature 2007年11月22号で発表された。小早川高・令子夫妻に研究の経緯や意義、将来の展望について聞いた。

News & Views

 模倣のニューロン

鳴鳥類には、自分が歌ったときと他の鳥の同じような歌を聴いたときとで驚くほど似た活動を示すニューロン群が存在する。自分や相手の動作を映し出す、鏡のようなニューロンの活動は、模倣にかかわっていると考えられる。

 木星の脈打つ表面の下で

木星の表面を取り囲む特徴的な縞模様に沿って、高速のジェット気流が吹き荒れている。このジェット気流の中で嵐が発生し、それを乱すようすを観察することで、雲の下にあるものを深く見通すことができる。

Nature Highlights

 ハイライト

Future

 ブリトニー・スピアーズ、研究者となる!?

これこそがポップカルチャー!

High school scientist

 キスゲ属の花は、送粉者に合わせて進化したのか?(福岡県立小倉高等学校)

季節は春。厳しい冬を耐えた植物たちがさまざまな花を咲かせている。よく見ると、どこからともなく、ハチやハエ、チョウなどが現れて、花々を訪れている。小倉高校の大崩貴之さんたちは、花の色や香りが、花を訪れる昆虫と深い関係にあることを、夏に咲くキスゲ属の花を用いて明らかにした。

News

 南極の氷の下に火山を発見

活火山が氷河の急激な融解に関与している可能性がある。

 睡眠中の脳で体験を早送り再生

ラットの研究で長期記憶の形成されるようすが明らかになった。

 ひねくれた貝殻

殻のらせん軸を3回も方向転換する新種の巻き貝が見つかった。

Snapshot

 LEDの光で屋内ガーデニング

この奇妙な植物たちは、いちども日の光を浴びたことがない。

英語でnature

 単細胞の記憶が示唆する知性の起源

動物のようにもキノコのようにもなる生物、変形菌(粘菌)は、その奇妙な生態が多くの生物学者を魅了してきました。日本では、Nature誌への掲載論文数約50本を誇る学者、南方熊楠(1867年〜1941年)が知られています。 今回は、変形菌の学習能力についての記事を取り上げます。左ページのTopicsに目を通してから、英文を読んでみましょう。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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