2007年11月号Volume 4 Number 11

Editorial

既存のタンパク質製剤の特許が切れたとき、分子生物学研究の成果によって医療に最大級の貢献を果たせる見通しがあれば、この後発の生物製剤に対する規制当局の承認を可能とする方途を定めなければならない。

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News

2007年のノーベル物理学賞は、磁気記憶装置を劇的に小さくするかぎとなる効果を発見した2人の研究者が受賞することになった。今回、賞を分け合うことになったのは、1988年に巨大磁気抵抗(GMR)効果を発見したフランスのパリ南大学のアルベール・フェールとドイツのユーリヒ固体物理研究所のペーター・グリュンベルクである。スウェーデン王立科学アカデミーは10月9日、この2人に賞を贈ることをストックホルムで発表した。

ポツダム気候影響研究所(ドイツ)の気候モデル作成者Stefan Rahmstorfは、「まったく予想していませんでした。すばらしいことです」と語った。10月8日から10日にかけて、彼はポツダムで開催された「地球の持続可能性:ノーベル賞受賞者の主張」というシンポジウムに参加していた。シンポジウムには10人以上のノーベル賞受賞者と多数の専門家が参加して、気候変動とそれに関連した諸問題について議論した。そして10月12日に、彼らは映画製作者であり米国前副大統領であるアル・ゴアと国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)がノーベル平和賞を受賞したことを知ったのだ。彼らの主張そのものがノーベル賞の受賞理由になったのである。

今夜は、ゲルハルト・エルトゥルのためにこのうえなく喜ばしいパーティーが催されることになるだろう。彼はこの日、71歳の誕生日を迎えただけでなく、「固体表面の化学過程の研究」により今年のノーベル化学賞を受賞することが決まったのである。

今年のノーベル医学生理学賞は、遺伝子の機能を簡単に突き止められるようにした技術を構築した研究者たちに贈られることになった。この技術を用いれば、特定の遺伝子が機能しない変異マウス系統である「ノックアウト」マウスを作り出すことができる。ノックアウトマウスを使うことで、保健や発生、疾患において特定の遺伝子が果たす役割を見極めたり、ヒト疾患の動物モデルを作ったりすることができる。

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News Features

最新の装置を搭載した世界最大の科学掘削船「ちきゅう」が、科学調査のための初航海に乗り出そうとしている。巨大地震が起こる現場(南海トラフ)を押さえようとするちきゅうの船出をDavid Cyranoskiが報告する。

RNA干渉のまったく新しい側面を示す知見が、サンフランシスコの研究チームによって報告された。革新的な分野にさらに革命を起こそうとする彼らの試みについてErika Checkが取材報告する。

地球史上にかつて起こった生物大量絶滅の研究では、大量殺りくの範囲だけに目が向けられがちである。しかし、絶滅した種と生き延びた種の違いはわずかであり、そうした違いが運命を決めたらしいことがわかってきた。Nick Laneが報告する。

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News & Views

1億6000万年前に小惑星帯で大規模な衝突が起こり、これにより生じた破片が内部太陽系に入り込み、ピンボールのように衝突してまわった。その破片の1つが、地球上から恐竜を一掃した6500万年前の大量絶滅を引き起こした可能性がある。

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英語でNature

老いは誰にでも平等に訪れます。とはいえ、人によって寿命が異なることからもわかるように、老化のスピードは異なります。近年では、老化の研究が進み、遺伝子との関連がメディアでも取りざたされるようになりました。 今回は、老化や発がんのメカニズムとかかわりがあるとされる、テロメアについての記事を取り上げます。テロメアの長さによって、細胞は分裂できる回数がほぼ決まっているようです。専門用語がたくさん出てくるので、自信がない場合は、まず右ページのTopicsとScience key wordsに目を通してから、記事を読んでみましょう。

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