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死にゆく細胞だけの破裂を担保する

炎症は、感染への対処と治癒に重要で、感染や損傷が起こった部位へ免疫細胞の移動が促される。しかし、炎症過程が制御不能になると、関節炎や炎症性腸疾患などの疾患が引き起こされる。炎症反応には、死にゆく細胞から放出される、ダメージ関連分子パターン(DAMP)などの分子が重要な因子となる。このほどジェネンテック社(Genentech、米国カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)のSergei Pourmal、Melissa E. Truong、Matthew C. JohnsonおよびYing Yangら1は、死にゆく細胞ではDAMPの放出を引き起こすNINJ1タンパク質2が、生きた細胞では不活性状態を維持している仕組みについて、Nature 2025年1月9日号446ページで報告している。

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翻訳:三谷祐貴子

Nature ダイジェスト Vol. 22 No. 4

DOI: 10.1038/ndigest.2025.250444

原文

How to ensure only dying cells rupture
  • Nature (2024-12-04) | DOI: 10.1038/d41586-024-03851-y
  • Elliott M. Bernard & Petr Broz
  • 共にローザンヌ大学(スイス・エパランジュ)に所属

参考文献

  1. Pourmal, S. et al. Nature 637, 446–452 (2025).
  2. Kayagaki, N. et al Nature 591, 131–136 (2021).
  3. Sender, R. & Milo, R. Nature Med. 27, 45–48 (2021).
  4. Degen, M. et al. Nature 618, 1065–1071 (2023).
  5. David, L. et al. Cell 187, 2224–2235 (2024).
  6. Kayagaki, N. et al. Nature 618, 1072–1077 (2023).
  7. Silva, M. T., do Vale, A. & dos Santos, N. M. N. Apoptosis 13, 463–482 (2008).