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ペプチドと水でできた自己修復ガラス
ガラスは、古くから社会を形作ってきた唯一無二の材料であり、その物理と化学は科学者たちを魅了し続けている。ガラスの主原料は、砂、石灰石、炭酸ナトリウムといった地味なものだが、こうした原料からは繊細な高級品を巧みに作り出すこともできる。広義には、「ガラス」という用語は化学組成ではなく物質の状態を定義したもので、冷却すると結晶化せずに固化する物質の総称である。このたび、テルアビブ大学(イスラエル)のGal Finkelstein-Zutaら1は、わずか3つのアミノ酸残基が線状につながったトリペプチドという単純な有機化合物がガラスを形成できるという意外な発見をし、Nature 2024年6月13日号368ページで報告した。この新しいガラスは、従来のガラスに似た光学特性を示すだけでなく、接着性と自己修復性という有用な能力も併せ持つ。
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翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 9
DOI: 10.1038/ndigest.2024.240949
原文
Self-healing glass from a simple peptide — just add water- Nature (2024-06-13) | DOI: 10.1038/d41586-024-01505-7
- Silvia Marchesan
- トリエステ大学(イタリア)に所属
参考文献
- Finkelstein-Zuta, G. et al. Nature 630, 368–374 (2024).
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