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悩みの種の塩に化学で対処する

現在、非従来型の脱塩淡水化方法の開発が進んでいる。こうした方法によって、より多くの飲料水が生成され、問題含みのブラインに対して多くの業界が対処できるようになり、バッテリー用のリチウム供給が増大する可能性がある。

バングラデシュでは、飲料水中の高濃度ナトリウムが妊娠高血圧腎症の割合の高さと関係付けられている。 Credit: Paula Bronstein/Getty

何千年も昔から、人々は水と塩を分離し、海水から塩と淡水飲料水を得てきた。しかし、できることには限界があり、時として破滅的な結果につながる。古代メソポタミアの人々は、灌漑（かんがい）用水の脱塩方法を考案できなかったので、土壌中に塩分が蓄積するのを防ぐことができず、社会が崩壊した。「これは、世界で最も昔からあり、最もうんざりする、深刻な問題といえます」とメリーランド大学カレッジパーク校（米国）の水文学者Sujay Kaushalは言う。

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翻訳：藤野正美

Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 10

DOI: 10.1038/ndigest.2024.241033

原文

How do you make salty water drinkable? The hunt for fresh solutions to a briny problem
  • Nature (2024-07-11) | DOI: 10.1038/d41586-024-02073-6
  • XiaoZhi Lim
  • シンガポール在住のフリーランス記者

参考文献

  1. Kaushal, S. S. et al. Nature Rev. Earth Environ. 4, 770–784 (2023).
  2. Khan A. E. et al. PLoS ONE 9, e108715 (2014).
  3. Zhang, X. et al. Nature Water 1, 547–554 (2023).
  4. Boo, C., Winton, R. K., Conway, K. M. & Yip, N. Y. Environ. Sci. Technol. Lett. 6, 359–364 (2019).
  5. Boo, C., Billinge, I. H., Chen, X., Shah, K. M. & Yip, N. Y. Environ. Sci. Technol. 54, 9124–9131 (2020).
  6. Chen, X. et al. Nature Water 1, 808–817 (2023).