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標的を定めた攻撃で造血幹細胞移植の安全性を高める

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200310

原文:Nature (2019-11-29) | doi: 10.1038/d41586-019-03601-5 | Targeted attacks could make blood-stem-cell transplants safer

Heidi Ledford

造血幹細胞移植は遺伝性疾患や免疫疾患の治療法として有望だが、現在行われている方法はリスクが高い。造血幹細胞のみを根絶できるようになれば、この治療法の安全性が高まり、適応拡大にもつながるだろう。

遺伝性疾患である鎌状赤血球症(写真)でも、造血幹細胞移植が有効であることが示された。 | 拡大する

London Scientific Films/Oxford Scientific / Getty Images Plus/GETTY

造血幹細胞移植は、血液がん、あるいは自己免疫疾患や遺伝性疾患の原因となる異常な造血幹細胞を、ドナーまたは患者自身の正常なもので置き換える治療法だ。最近、一部の自己免疫疾患や遺伝性疾患の治療にも造血幹細胞移植が有効だという報告が増えてきている。しかし、造血幹細胞移植は現在、主に血液がんに対する治療として行われている。効果的な治療法だが、前処置として既存の造血幹細胞(全ての血液細胞に分化できる骨髄の細胞)を根絶しておく必要があり、この前処置により造血幹細胞以外の重要な骨髄細胞も破壊され、大きなリスクを伴うからだ。造血幹細胞移植の適応拡大のため、科学者たちは、造血幹細胞だけを標的として選択的に破壊する方法を模索してきた。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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