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研究データ共有を促進するためのシュプリンガー・ネイチャーの方針

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2017.1704pr

Iain Hrynaszkiewicz

シュプリンガー・ネイチャーは、著者の方々に最高の研究論文を出版する場を提供し、研究助成の恩恵が最大になるようにしたいと考えています。この活動には、研究データの共有とアーカイブ化の実践も含まれます。また私たちは、論文著者の方々が所属機関や研究助成機関の定めるデータ共有の要件に対応できるように手助けしたいと考えています。

こうした目標を達成するため、シュプリンガー・ネイチャーは、各ジャーナルが容易に採用でき、論文著者の方々にとっても分かりやすい一連の標準化されたデータ共有方針を2016 年7 月に施行しました。私たちは、こうした方針の実施を支援するための各種サービスを開発しており、大手出版社が掲げる研究データ方針において最も包括的でオープンなものとなることを目指しています。

新しい方針とサービスの目標:

  • 研究データに関する方針と手順を各ジャーナルに適切な形で標準化することで、著者の皆様の体験と満足度を向上。
  • 出版物とデータの間のリンク設定を一貫させることで、読者の皆様へのサービスを改善。
  • 研究データ方針のガイドラインとサポートを一貫して行い、査読過程におけるデータの可視性を高めることで、編集者と査読者の皆様へのサービスを改善。
  • よりオープンな形式による再現性の高い研究論文の出版を奨励。
  • 研究データ共有の拡大とイノベーションを推進。
  • シュプリンガー・ネイチャーに論文を投稿する著者と編集者のために、専用の研究データ支援窓口を設置。
  • 研究データに関する方針と手順を各ジャーナルに適切な形で標準化することで、著者の皆様の体験と満足度を向上。
  • 出版物とデータの間のリンク設定を一貫させることで、読者の皆様へのサービスを改善。
  • 研究データ方針のガイドラインとサポートを一貫して行い、査読過程におけるデータの可視性を高めることで、編集者と査読者の皆様へのサービスを改善。
  • よりオープンな形式による再現性の高い研究論文の出版を奨励。
  • 研究データ共有の拡大とイノベーションを推進。
  • シュプリンガー・ネイチャーに論文を投稿する著者と編集者のために、専用の研究データ支援窓口を設置。

現代のジャーナルにおける研究データ方針は極めて複雑な様相を呈しており、数千誌もあるジャーナルの間で基準を整合させるための大規模な取り組みが長年の懸案になっています。シュプリンガー・ネイチャーとしては、データ共有を強く求める規定の導入について、研究コミュニティーによって準備状況にばらつきがあることを認識しつつ、研究データの共有に対する関心を高め、必要に応じて可能な限り行動を起こしたいと考えています。

有効な方針という評価を受けるのは、それが行動と結びつく場合に限られます。そのため、シュプリンガー・ネイチャーでは、方針の施行を出版物ごとに行っています。私たちは、全ての分野の研究者のみならず、研究助成機関、図書館、その他の関係者などと協議した上で、各領域に固有のやり方で研究データ方針に取り組むアプローチを考案しました。私たちはこのプロセスを導入したばかりですが、シュプリンガー・ネイチャーが発行するジャーナル全誌が既に参加しています。研究データ方針の共通事項に関する私たちの定義の仕方について、出版コミュニティーと研究コミュニティーからのフィードバックを歓迎します。

シュプリンガー・ネイチャーが採用した全ての種類の研究データ方針には、データを出版物に強固にリンクさせることの重要性が増していることを考慮して、データの引用(参考文献一覧表に公開データセットを正式に引用すること)に関する規定があります。

研究データ方針の種類
1型 データ共有とデータの引用を奨励するもの
2型 データ共有とデータ共有の証拠提示を奨励するもの
3型 データ共有を奨励し、データの利用可能性に関するステートメントの提出を要件とするもの
4型 データ共有、データ共有の証拠提示、データの査読を要件とするもの

350 誌以上のジャーナルで、上の4 種類の方針のいずれかが採用されています。例えば、Photosynthesis Researchは、1型を採用し、Plant and Soilは、2型を採用しています。BioMed Centralの全てのジャーナルとPalgrave Communicationsが3型を採用し、Nature関連誌で3型を採用するものが増えてきています。そして、厳格なデータ公開方針を持つジャーナル(例えばScientific DataとGenome Biology)は、4型を採用しています。

「よくある質問」には、詳細な情報が記載されており、シュプリンガー・ネイチャーが採用した全ての種類の研究データ方針の全文を読むこともできます。集中管理され、標準化された私たちの研究データ方針の情報リソースには、信頼性の高いデータリポジトリの一覧表、私たちの研究データ支援窓口への連絡方法、データ利用可能性ステートメント(data availability statement)の作成に関する案内書と事例紹介も含まれています。研究助成機関の研究データ方針では、データ利用可能性ステートメント(data availability statement)の作成に関する案内書と事例紹介も含まれています。研究助成機関の研究データ方針では、データ利用可能性ステートメントの提出を求める規定が多くなっています。

研究データ方針を網羅的に制定することは技術的に革新というほどではないかもしれませんが、これが賢明かつ必要なやり方だと私たちは確信しています。数千点の出版物を刊行し、数十万人のお客様に製品とサービスを提供するシュプリンガー・ネイチャーが、今後さらにオープンで統合的な研究データ出版を行っていくための基礎を築き上げる上で、この方針がそれを助けてくれると考えています。

*springernature.com/gp/group/data-policy/faq

キーワード

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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