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銅が悪臭の感度を増幅

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 1 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170109b

チオール類の検知を強めている

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ARTPARTNER-IMAGES/GETTY

米国と中国の化学者チームは今回、この超高感度は金属の銅による効果だということを明らかにした。研究チームは、この不快なにおい分子を検知する受容体が鼻の粘液中に存在する銅の粒子とも結合することを突き止め、2016年9月にJournal of the American Chemical Societyに報告した。銅は、チオールの強度をおよそ1000倍にも増幅しており、また、銅と結合できないチオール受容体を作り出して実験したところ、チオールへの感受性がほとんど消えることが分かった。

ごく微量のチオールを嗅ぎ取ることができる鼻を持つのは進化上で有利だったと、ニューヨーク州立大学オールバニ校(米国)の化学者で論文共著者のEric Blockは言う。硫黄化合物は腐った食べ物から放出される他、一部の捕食動物にもこのにおいを放つものがあるからだ。

金属がにおいの増幅に関係することが示されたのは初めてであり、嗅覚を助ける金属の探索研究が活発化するだろうと、エール大学(米国)の化学者Robert Crabtreeは話す。彼は1977年、チオールのにおい感知に銅が関係している可能性を初めて予測していた。

(翻訳:粟木瑞穂)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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