Research Highlights
交通渋滞は物理法則に従って発生する
交通渋滞は、氷が融解したり金属が超伝導状態になったりする「相転移」と呼ばれる物理現象によく似ている。
佐賀大学の只木進一らは、名古屋ドーム内にコースを作って何台もの車を走らせ、高解像度レーザー・スキャナーを使ってその位置を追跡し、相転移の分析手法を用いてデータを解析した。その結果、車の密度が臨界値を上回ると、交通流が不安定になり、スムーズだった流れが滞ってくることが明らかになった。
スケールアップすると、その臨界密度は現実の高速道路で渋滞が起こり始めるときの密度と一致しているという。
New J. Phys. 15, 103034 (2013)
翻訳:三枝小夜子
Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 2
DOI: 10.1038/ndigest.2014.140228