The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2019年5月19日 ~ 2019年6月18日

  • 細胞競合が皮膚形成を可能にする

    Nature 569 (2019年5月23日)

    適応度の低い「敗者」細胞の除去は、ショウジョウバエ(Drosophila)において組織の発生を維持する選択機構である。今回E Fuchsたちは、哺乳類の表皮では2種類の異なる細胞競合機構が連続して働いて、表皮の重層構造の形成を可能にすることを明らかにしている。胚発生において上皮が単層の細胞層として構造化される際、「勝者」の前駆細胞は貪食によって敗者細胞を除去するが、皮膚バリアが形成されると、敗者細胞は分化によって上方へ排除されて除去される。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1199-y | 全文  | PDF

  • 次世代CCLEデータベース

    Nature 569 (2019年5月23日)

    W Sellersたちは今回、オリジナルのがん細胞株百科事典(CCLE)を拡張し、計1072の細胞株の特性解析結果を追加した。これには、トランスクリプトーム、プロテオーム、ゲノムのデータなどが含まれる。これらのデータは、薬剤感受性や遺伝子依存性に関する利用可能なデータと統合できる。今回の取り組みは、がん研究者に貴重な情報資源を提供する。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1186-3 | 全文  | PDF

  • 光でタンパク質を制御する

    Nature 569 (2019年5月23日)

    光を使ってタンパク質を活性化するCAGE-Proxという手法を、P Chenたちが開発した。今回の報告では、ケージに閉じ込めたチロシン残基であるONBYが使われていて、このケージは光によって外すことができる。著者たちはコンピューター支援設計によってONBYが取り込まれる部位を最適化し、タンパク質の機能に与える影響を最小に抑えている。この方法はさまざまなタンパク質ファミリーに広く応用可能で、細胞のシグナル伝達や免疫応答を微調整できる。光を治療に直接的に使うにはそれなりの制約があるが、CAGE-Prox法には、タンパク質を、光で活性化されるプロドラッグとして使える可能性もある。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1188-1 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-019-01394-1 | 全文  | PDF

  • コドンを3つ減らして61通りに

    Nature 569 (2019年5月23日)

    タンパク質をコードするゲノム領域は、その塩基配列がRNAポリメラーゼによってメッセンジャーRNAに転写され、次にタンパク質に翻訳される。このようなリーディングフレームは開始コドンの位置で規定される。しかし、各アミノ酸に対応するコドン(3塩基暗号)は複数あり、また翻訳を終結させる終止コドンも3通りある。この冗長性は生物の翻訳に広く見られる固有の性質である。J Chinたちは今回、大腸菌(Escherichia coli)の全ゲノムを再コード化して、2通りのセンスコドンと1通りの終止コドンを除去した。この研究は、技術的には、これまでの再コード化の試みを超えるもので、実質的には、同義コドンの完全な圧縮が可能であることを立証している。将来的には、このような置換されたコドンを用いて非天然型アミノ酸をコードできるようになるかもしれない。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1192-5 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-019-01584-x | 全文  | PDF

  • 室温超伝導へ向けて

    Nature 569 (2019年5月23日)

    低温で電気抵抗がなくなる物質は1世紀以上前に発見されたが、液体窒素の沸点以上でそのような超伝導挙動が観測され、多くの応用が容易になって初めて、室温超伝導体を実現できる可能性があると思われるようになった。最近では、高温超伝導体の探求は、水素系化合物に超高圧をかけることに向けられている。今回M Eremetsたちは、高圧下の水素化ランタンが、これまでの最高記録である硫化水素の203 Kより約50 K高い250 K、つまり−23°Cで超伝導を示すことを明らかにしている。他の水素化物がさらに高い温度で超伝導を示すことが予測されており、水素化物系に関する知見は大気圧での高温超伝導体を探索する指針として役立つ可能性がある。

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    doi: 10.1038/d41586-019-01583-y | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-019-1201-8 | 全文  | PDF

  • シリコンキュービットによる論理演算のベンチマーキング

    Nature 569 (2019年5月23日)

    万能量子コンピューターの構成要素は、1量子ビット(キュービット)論理ゲートや2キュービット論理ゲートという形をとっていて、いわゆる演算の忠実度が厳しく要求されている。いくつかのハードウエアプラットフォームで、1キュービットレベルでの高い忠実度が報告されているが、標準的なリソグラフィー技術を使って作製された固体キュービットで、フォールトトレラントな計算に対してしきい値に近い忠実度を示す2キュービット演算をサポートできるのは、今のところ超伝導体技術を使ったものだけである。シリコン系の量子ドットキュービットも大規模製造に適しているので、有望な代替プラットフォームである。実際、シリコンでの2キュービットゲートの実証が成功しているが、その忠実度の厳密で包括的な評価は極めて少ない。今回、A Dzurakたちは、シリコン系のシステムにおける2キュービットゲート忠実度を初めて詳細に分析している。彼らは、忠実度が0.80〜0.89のベル状態(量子計算のためのエンタングルしたリソースの典型例)を生成したことを報告している。今回の結果は、こうした固体キュービットの長所だけでなく、シリコン技術を現在制約しているボトルネックも浮き彫りにしており、将来の研究の有益な参考になる。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1197-0 | 全文  | PDF

  • 氷をゆっくり圧縮する

    Nature 569 (2019年5月23日)

    以前、通常の水氷から高密度非晶質氷(HDA)への低温での圧力誘起変換が、熱力学的な融解として合理的に説明され、それを機に、水の多くの異常性を説明するために深過冷却領域における2種類の液体水の存在を前提とした、議論の多い水モデルが提唱された。今回C Tulkたちは、氷の圧縮を十分ゆっくり行うと、一連の結晶氷相が順次形成されることを示している。今回の観察結果は、機械的不安定性や、再結晶化を妨げる遅い速度論的動態に起因してHDAが形成されるという見解を裏付けており、非晶質氷と過冷却液体水を関連付ける理論に疑問を投げ掛けている。

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    doi: 10.1038/d41586-019-01586-9 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-019-1204-5 | 全文  | PDF

  • 中国東部からのCFC-11排出量の増大

    Nature 569 (2019年5月23日)

    クロロフルオロカーボンなどのオゾン層破壊物質の大気中濃度は、モントリオール議定書の合意に沿うように低下している。しかし、クロロフルオロカーボンのうち2番目に存在量が多いトリクロロフルオロメタン(CFC-11)の大気中濃度の低下が鈍化していることが近年報告され、全球の排出量の増大が示唆されている。今回S Parkたちは、中国東部からの排出が全球のCFC-11の排出量増大の約40~60%、あるいはそれ以上を占めており、新たな生産と使用の結果である可能性を見いだしている。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1193-4 | 全文  | PDF

  • 血管内皮を通り抜ける低密度リポタンパク質の輸送

    Nature 569 (2019年5月23日)

    2つの関連するリポタンパク質、すなわち低密度リポタンパク質(LDLあるいは「悪玉」コレステロール)と高密度リポタンパク質(HDLあるいは「善玉」コレステロール)の作用のバランスが乱れてLDLの比が高くなると、大動脈内皮の直下の間隙にLDLが蓄積するようになり、アテローム性動脈硬化が始まる。アテローム性動脈硬化症はヒトの最も一般的な高リスク疾患の1つであるが、LDLが血液から内皮下の間隙に移動する仕組みはまだよく分かっていない。循環血中のLDLの約半分は、LDL受容体への結合を介して内皮を通過して輸送されるが、残り半分の輸送機構はいまだ解明されていない。これまでの研究から、内皮細胞上でSR-B1受容体がHDLやLDLに結合できることが示されているが、P Shaulたちは今回、SR-B1受容体がLDLの経内皮輸送で重要な役割を担っていることを報告している。この過程には2つの細胞内タンパク質DOCK4とRac1の助けが必要である。内皮細胞でSR-B1を欠損するマウスでは、アテローム性動脈硬化になりやすい2つの遺伝的背景があっても、アテローム性動脈硬化の発症が防止されたことから、SR-B1を介したLDLの動脈壁内への内皮を通る送達を阻害する介入が、アテローム性動脈硬化症に対する新しい治療戦略になり得ると示唆される。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1140-4 | 全文  | PDF

  • がんで見られるNAD代謝の2つの様式

    Nature 569 (2019年5月23日)

    P Mischelたちは今回、がんでは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の獲得様式が起源の組織に依存して決まることを報告している。NADのde novo合成での律速酵素であるNAPRTが正常な組織タイプで高発現している場合、その組織から生じたがんでは多くの場合NAPRTの増幅が見られ、がんの生存はNAPRTに依存する。そのため、NAPRTが失われると腫瘍が退縮する。一方、NAPRTの発現が高くない正常組織から生じた腫瘍はNAMPTというNAD合成経路の別の律速酵素の発現に依存しており、再利用経路を介してNADを調達する。これには、NAMPTの発現を調節するこれまで知られていなかったエンハンサーが関与している。このような腫瘍は、NMRK1を酵素として使って迂回することでNAMPT要求性を回避できる。これがNAMPT阻害剤が臨床で効果が上がらないことの理由かもしれない。事実、腫瘍退縮は両方の酵素を阻害した場合にだけ起こる。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-019-1150-2 | 全文  | PDF

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