The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2019年1月18日 ~ 2019年2月17日

  • 嗅覚受容体の選択

    Nature 565 (2019年1月24日)

    マウスの嗅覚受容体は、1000以上の遺伝子からなるファミリーにコードされており、これらの遺伝子は組織化されてクラスターを形成し、ほとんどの染色体にまたがって分布している。成熟した各嗅覚ニューロンで発現するのは1つの嗅覚受容体遺伝子のみである。S Lomvardasたちは今回、選別された嗅覚ニューロンでHi-C実験を行い、嗅覚受容体遺伝子クラスターは特定の染色体間接触を形成し、そうした接触は細胞分化に伴って増えることを見いだした。これらの接触は、転写因子のLHX2やLBD1が結合する、遺伝子間嗅覚受容体エンハンサーによって調節され、その結果、転写活性を持つ単一の嗅覚受容体と相互作用する多数染色体由来スーパーエンハンサーが形成される。これらの知見から、遺伝子発現の調節における染色体のトランス相互作用の役割が機能的に裏付けられた。

    Article

    doi: 10.1038/s41586-018-0845-0 | 全文  | PDF

    News & Views

    doi: 10.1038/d41586-019-00010-6 | 全文  | PDF

  • GABAA受容体の構造

    Nature 565 (2019年1月24日)

    A型γ-アミノ酪酸受容体(GABAA受容体)は、脳で速い抑制性神経伝達を仲介している。GABAA受容体はまた、ベンゾジアゼピン系のジアゼパムやアルプラゾラム、麻酔薬やアルコールなど、幅広い医薬品やレクリエーショナルドラッグの標的でもある。A Aricescuたちは今回、GABAA受容体のシナプスにおける主要アイソフォームであるヒトα1β3γ2Lの一連の構造を明らかにした。これらの構造は、天然状態に似た環境である脂質ナノディスク中にある受容体を使って解かれているので、受容体の透過孔は無傷状態を保ち、機能も維持されている。同じ著者たちによるもう1つの論文では、アルプラゾラムやジアゼパムに加えて、阻害薬のピクロトキシンやビククリンに結合したGABAA受容体の構造が報告されている。まとめると、今回の結果は、この重要な受容体クラスの構造薬理学に関する豊富なデータを明らかにしており、新しい治療薬や低分子ツール化合物の開発に役立つ基盤となりそうだ。これらの構造は、構造解明を助け、正のアロステリック調節因子として作用する「megabody」Mb38の存在下で決定された。これは、Mb38の使用が、GABAA受容体や類似の膜タンパク質に関する今後の研究に役立つ可能性を示している。

    Article

    doi: 10.1038/s41586-018-0832-5 | 全文  | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0833-4 | 全文  | PDF

    News & Views

    doi: 10.1038/d41586-018-07843-7 | 全文  | PDF

  • 反復新星を取り巻く巨大な空洞

    Nature 565 (2019年1月24日)

    反復新星は、連星伴星からガスを降着させている白色矮星である。このガスは、熱核暴走反応が生じるまで蓄積され、この反応では、物質が最高秒速1万kmで放出される。この物質は周囲の媒質を一掃し、巨大な空洞を生み出す。今回M Darnleyたちは、毎年爆発を繰り返す、最も頻繁に反復する新星M31N 2008-12aを取り巻く134 × 90パーセクの空洞を観測している。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0825-4 | 全文  | PDF

  • 隠れた物体を見る

    Nature 565 (2019年1月24日)

    曲がり角の向こう側から音が聞こえることはよくあるが、曲がり角の向こう側を見ることははるかに難しい。しかし、不可能ではない。光は表面で散乱されるために情報を保持しており、コンピューターを用いてこれを再構成することで、直接見ることができない物体に関する情報を明らかにできる。従って反射表面はペリスコープ(潜望鏡)の鏡としての役割を果たすことができ、このタイプの画像化方法はコンピューター・ペリスコープ法(computational periscopy)と呼ばれている。この方法には通常、高価で特殊な装置が必要だが、今回V Goyalたちは、普通のデジタルカメラを用いてコンピューター・ペリスコープ法を実現する手法を実証している。今回の手法を用いて、直接見ることができない隠れた物体の位置とその背後の光景の両方を復元できるようになったのである。

    News & Views

    doi: 10.1038/d41586-019-00174-1 | 全文  | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0868-6 | 全文  | PDF

  • 維管束形成層の組織化

    Nature 565 (2019年1月24日)

    植物の形態形成では、オーガナイザー細胞によって近傍の幹細胞の分裂と分化が方向付けられる。しかし、この考え方が維管束形成層[器官の表面から奥深くにある成長層で、木部(材)組織と師部輸送組織を生じる]にも当てはまるかどうかは、分かっていなかった。A Mähönenたちは今回、細胞系譜の追跡と遺伝学的解析を行い、維管束形成層内では、木部の特性を持つ細胞がオーガナイザーとして働き、その誘導によって隣接する形成層細胞が木部幹細胞として分裂・機能することを報告している。彼らはまた、これらのオーガナイザーは、植物ホルモンのオーキシンと転写因子HD-ZIP IIIの作用を通して、木部の特性と静止状態を維持しているが、これらの隣接する二面性の幹細胞を介して、師部の特性も保っていることを明らかにしている。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0837-0 | 全文  | PDF

    News & Views

    doi: 10.1038/d41586-018-07880-2 | 全文  | PDF

  • ホルモンと転写因子との間のネットワーク形成

    Nature 565 (2019年1月24日)

    Y Helariuttaたちは今回、植物の維管束組織である木部と師部を生み出す組織である前形成層において、肥大(側方)成長がどのように開始されるかを調べている。彼らは、根の前形成層組織において、植物ホルモンのサイトカイニンに応答して初期の原生師部要素(PSE)細胞の周囲で成長が始まり、それがPEARタンパク質と呼ばれる新しいグループの転写因子の発現を促進することを見いだした。細胞間移動性のPEAR転写因子はその後、PSEにおいて最大値をとる短距離濃度勾配を形成し、肥大成長を促進する遺伝子の発現を活性化する。それらはまた、別のホルモンであるオーキシンに応答する、より内側にある分裂しない前形成層細胞において、HD-ZIP IIIと呼ばれる異なるグループの転写因子の発現を増強する。その後、HD-ZIP IIIタンパク質は負のフィードバックループを介してPEARタンパク質の発現や機能と拮抗する。こうしたホルモンと転写因子によるネットワークが、根の前形成層内部の静止細胞領域と分裂細胞領域の境界を決定している。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0839-y | 全文  | PDF

    News & Views

    doi: 10.1038/d41586-018-07880-2 | 全文  | PDF

  • Treg機能の代謝調節

    Nature 565 (2019年1月24日)

    制御性T(Treg)細胞は免疫における自己寛容や恒常性の維持に不可欠である。Treg細胞は独特の代謝プロファイルを示すが、Treg細胞の代謝が遺伝子発現や免疫機能を調節する仕組みは分かっていない。N Chandelたちは今回、Treg細胞の機能はミトコンドリアの呼吸鎖複合体IIIに依存するが、その増殖や生存はこの複合体に依存しないことを示している。Treg細胞において酸化的リン酸化を阻害すると、2-ヒドロキシグルタル酸やコハク酸の蓄積につながり、これが次にDNA脱メチル化酵素であるTETの阻害やTreg細胞機能を弱める遺伝子発現の変化を引き起こして、致死的な自己免疫が促進される。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0846-z | 全文  | PDF

  • HIVはメチルトランスフェラーゼを動員して自然免疫による感知を免れる

    Nature 565 (2019年1月24日)

    RNAのメチル化は、自然免疫系による自己RNAと非自己RNAの識別を促進する。細胞のmRNAは7-メチル-グアノシンによる修飾でキャップされていて、さらに2′O-リボースのメチル化による修飾を受けている。自然免疫センサーのMDA5やRIG-Iなどは、修飾されていないRNAを認識するとインターフェロン系を活性化し、抗ウイルス状態を確立する。Y Bennasserたちは今回、HIVが宿主細胞のメチルトランスフェラーゼFTSJ3を調達して自身のゲノムをメチル化し、それによって自然免疫系のMDA5による感知やインターフェロンの誘導、さらにはHIV複製の阻害を免れることを明らかにした。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0841-4 | 全文  | PDF

  • 糖尿病性血管症のモデル系としての血管オルガノイド

    Nature 565 (2019年1月24日)

    糖尿病は、あらゆる血管疾患において最も強力なリスク要因の1つであり、これは主に慢性的な高血糖が内皮基底膜の肥厚や血管細胞死を引き起こすためである。糖尿病のマウスモデルは数多く存在するが、基底膜の肥厚など、ヒト糖尿病の臨床的特徴を完全に再現するモデルはない。J Penningerたちは今回、改良された方法を用いて、ヒト誘導多能性幹細胞から内皮細胞と周皮細胞で構成される血管オルガノイドを作製した。得られたヒト血管オルガノイドを免疫不全マウスに移植したところ、安定な血管樹が形成された。一方、これらのオルガノイドをin vitroで、あるいは糖尿病マウスの高グルコース環境に曝露すると、糖尿病患者に見られるような肥厚した血管基底膜を生じた。著者たちは、開発したオルガノイドが糖尿病性血管症の研究に適していることを示すとともに、これを用いてDLL4とNOTCH3が糖尿病性血管疾患の重要なトライバーであることを明らかにしている。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-018-0858-8 | 全文  | PDF

  • 代謝を骨の生理機能に結び付ける

    Nature 565 (2019年1月24日)

    軟骨内骨化は、骨形成における重要な過程の1つである。それには低酸素環境内での軟骨細胞の増殖と生存が必要であり、低酸素誘導因子1α(HIF-1α)によって調節されている。G Carmelietたちは今回、軟骨細胞でのHIF-1αシグナル伝達の長期化により、細胞の代謝が変わり、その結果、細胞外マトリックスが変化して骨量に影響が表れ、骨格異形成が起こることを報告している。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-019-0874-3 | 全文  | PDF

「Journal home」に戻る

プライバシーマーク制度