Nature ハイライト

Cover Story:コーヒーリングをブレーク:コーヒーリング効果の解消は粒子堆積に実用的に使われる

Nature 476, 7360

コーヒーの1滴を乾かすと液滴の縁に粒子が環状に集まる。この「コーヒーリング効果」が初めて形式にのっとって報告されたのは1997年のNatureの論文だが、これはコロイド粒子懸濁液を蒸発させたときに一般に見られる現象である。コーヒーリング効果は、日常生活に見られる珍しい現象というだけで終わるものではなく、インクジェット印刷、フォトニクス部品の組み立て、DNAチップの製造など、均一に粒子を堆積させる必要のある多くの応用技術に関係していることがわかっている。P Yunkerたちは、楕円体の粒子がコーヒーリング効果を抑制することを明らかにしている。楕円体粒子間の引力相互作用は強いため、液滴蒸発時に球状粒子を液滴の縁に押しやる力に対抗できる。界面活性剤を含む溶液の場合には、楕円体粒子でもコーヒーリング効果が復活する。また、球状粒子と楕円体粒子を「計画的に」混ぜ合わせることによって、均一な堆積物を得ることができる(Letter p.308, N&V p.286)。

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