Nature ハイライト

Cover Story:土星の巨大嵐:惑星を周回する雷雨

Nature 475, 7354

1876年以降、土星大気中では6回の大白斑(Great White Spot;GWS)事象が観測されている。これらの巨大な対流嵐は、約1土星年(地球の29.5年に相当する)に1回生じている。2010年12月には6回目のGWSが起こり、集中的に観測されている。今週号では2つの論文が、これらの観測結果の一部についての詳細を報告している。A Sánchez-Lavegaたちは、北半球の春の初め、弱い西向きジェットがピークに達した際に嵐が北緯域で成長したことを報告している。嵐の最前線はジェットよりも速く動き、惑星を周回する擾乱を引き起こした。この現象の数値シミュレーションは、土星の天候層へ深く広がることを示している。G Fischerたちは、嵐の幅が3週間以内に10,000 kmに達したことを報告している。この嵐の稲妻閃光率は、以前の嵐で見られたものよりもほぼ1桁高く、ピーク時には1秒当たり10回以上だった。表紙は、嵐が始まってから約12週間後の2011年2月25日に撮影されたもので、雲は、惑星に巻きつく尾部を形成している(Letters pp.71, 75, N&V p.44)。

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