Nature ハイライト

Cover Story:古代人のゲノム:4,000年前の髪の毛から過去を再構築する

Nature 463, 7282

古代人の組織由来のほぼ完全な核ゲノムの塩基配列が、初めて解読された。この組織は、永久凍土層で保存された約4,000年前の毛髪で、グリーンランドに定着したことが知られている最古の文化であるサカク文化に属した古エスキモー男性のものである。機能的一塩基多型(SNP)分析により、この男性についてありうる表現型の特徴が割り当てられた。この分析結果は、現代のアメリカ先住民およびイヌイットを生み出すことになった移住とは別に起こった、約5,500年前のシベリアから新世界への移住の証拠となる。表紙は、塩基配列が解読された男性の、Nuka K Godtfredsenによるスケッチで、SNP分析および最も近縁の現代人集団の姿に基づいて描かれたもの(Article p.757, News & Views p.739, www.nature.com/podcast)。また今週号には、成果が上がらなかったピアリーランドの考古遺跡群調査の後に、コペンハーゲン博物館の地下でこの毛髪を見つけた、この計画のリーダーで論文の最終著者でもあるE Willerslev氏を紹介する記事も掲載されている(News Feature p.724)。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度