Nature ハイライト

Cover Story:原子を1つずつ分析:個々の元素の位置を明らかにできる環状暗視野電子顕微鏡

Nature 464, 7288

非周期的構造をもつ固体中の個々の原子すべてを解像・同定できる画像化技術があれば、非常に有用な材料分析手段となるだろう。今回O Krivanekたちは、低電圧動作向けに最適化された収差補正走査型透過電子顕微鏡による環状暗視野(ADF)画像化を使うことで、そのような分析を可能にした。この方法により、窒化ホウ素の単層が調べられ、炭素や酸素の不純物原子を含む、個々の原子置換が明らかになった。慎重なデータ解析を行うことで詳細な原子構造地図の作製が可能となり、4種類の原子すべてが解像・特定されている。表紙は、実験で得られたADF画像で、同定された原子をホウ素原子は赤、炭素原子は黄色、窒素原子は緑、酸素原子は青に色分けして表している(Letter p.571)。

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