Nature ハイライト Cover Story:ルネッサンスの人名録:『キリストの鞭打ち』に隠された暗号 2007年3月29日 Nature 446, 7135 表紙は、1460年ごろにピエロ・デッラ・フランチェスカにより描かれ、現在はイタリアのウルビーノ市にある国立マルケ州美術館で展示されている『キリストの鞭打ち』である。床のタイルの描写からもわかるように、ピエロは遠近法の使い方が特に優れており、そのためもあってこの絵はルネッサンス期の最も有名な傑作の1つとなっている。しかし、この絵は謎めいた点が多いことでも名高く、とりわけ右に立つ3人の男性がいったい誰なのかは不可解とされてきた。今回、科学史家D Kingが謎解きに加わり、謎めいた人物すべてを一挙に特定する革新的な仮説を発表して、多くの美術研究者を仰天させた。News FeatureでJ Marchantは、Kingによる人物特定の基盤となった、15世紀のアストロラーベ(古代の天文観測儀)に残された銘文から始まる歴史学的・数学的な推理について論じ、またKing説とは対立するが、美術研究分野でより広く受け入れられている見解についても解説している。[News Feature p.488] 2007年3月29日号の Nature ハイライト 疫学:季節と疾患流行の関係 気候:気候感度を較正する 生理:ユニセックス・フェロモン 進化:哺乳類出現までの長い道のり 物理:キュリウムの磁性を解明する 物理:スピンを可視化する 化学:キラルなネオペンタン 生態:プロテオゲノミクスは情報の鉱脈 目次へ戻る