Nature ハイライト
Cover Story:気温上昇への脆弱さ:温暖化する世界に対する熱帯の昆虫の適応能力の限界
Nature 651, 8106
表紙は、アンデス東部山脈の低標高地から中標高地で見られる蛾の一種Idalus iragorriの画像で、一帯には数多くの昆虫種が生息している。全昆虫種の70%以上が熱帯に生息しているが、地球温暖化が、生態系の重要な構成要素である昆虫種にどのような影響を及ぼし得るのかは十分には分かっていない。今週号ではK Holzmannたちが、この問題の解明を目指して、アフリカと南米の約2300種の昆虫を解析した結果について報告している。彼らは、高標高地に生息する昆虫は高温により良く適応できる一方、低標高地に生息する昆虫はうまく適応できないことを見いだした。全体として、熱帯の昆虫が地球温暖化に対処できる能力は限られており、研究対象となった低標高地の昆虫の半数が、将来予想される気温上昇の結果として死滅するリスクにさらされていることが明らかになった。
2026年3月19日号の Nature ハイライト
極低温原子:双極性分子から作られた分子量子液滴
人工知能:数学オリンピックの表彰台に立てるAIの推論能力
材料科学:酸化物の接触帯電における自然付着炭素の役割
触媒反応:疎なデータから移行可能なエナンチオ選択性モデル
気候科学:南極氷床コアが示す過去300万年にわたり一定だったメタンと二酸化炭素濃度
気候科学:南極氷床コアが示す過去300万年の平均海洋温度
水文学:広域高度測定による全球河川の貯水量変化と川岸の形状
古生物学:前期カンブリア紀の新たな生物相
遺伝学:マラリアまん延地域で選択された抵抗性バリアント
発生生物学:ASD変異をヒトオルガノイド発生モデルで解析
神経科学:末梢の血液細胞が睡眠中に脳の脂質を除去
神経発生:ヒト皮質ニューロン発生の遺伝的統御ネットワーク
発生生物学:脊椎動物脳を守る細胞集団の収斂進化
免疫学:サイトメガロウイルスがT細胞応答を妨げる仕組み
医学研究:in vivo塩基編集による行動異常の救済
がん:ATF6α活性化は代謝改変と免疫抑制を介して腫瘍を駆動する
細胞生物学:ヘパラン硫酸と糖鎖修飾RNAの複合体がVEGFシグナル伝達を調節
分子生物学:mRNAの選択的スプライシングをポリアミンが制御する
構造生物学:5-HT2A受容体のGi共役

